M&A費用
株価算定の費用相場は?CPA直伝「まず無料で試す」方法
株価算定の費用は20万〜500万円。大手と個人事務所の相場を比較し、高い費用を払う前に自分で概算を把握する方法を公認会計士が解説します。
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加藤 陽生
公認会計士IPO準備企業の管理部長、M&Aアドバイザリー業務に従事。 中立的な立場で経営者のM&A判断をサポート。
公認会計士による監修済み(最終更新: 2026-04-02)
株価算定にかかる費用の相場
M&Aや事業承継で「自分の会社はいくらなのか」を知りたいとき、最初に気になるのが株価算定の費用です。
結論から言うと、依頼先によって20万〜500万円以上と大きな幅があります。
依頼先別の費用相場
| 依頼先 | 費用相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| Big4系(大手監査法人) | 300万〜800万円 | 上場企業・大型案件向け。第三者対抗力が高い |
| 中堅FA・コンサル | 50万〜150万円 | M&A仲介とセットになることが多い |
| 個人CPA事務所 | 20万〜100万円 | 低オーバーヘッド。中小企業に特化 |
| M&A仲介会社の「無料査定」 | 0円(表面上) | 売却を前提とした営業活動の一環 |
「無料査定」の落とし穴
M&A仲介会社が提供する「無料企業価値査定」は、一見お得に見えます。しかし注意すべき点があります。
無料査定の実態:
- 算定根拠が開示されないことが多い(ブラックボックス)
- 売却を前提とした「高めの数字」が出やすい
- 査定後に仲介契約への営業が始まる
- 仲介手数料は最低500万円〜(レーマン方式)
つまり、「無料」の裏には数百万円の仲介手数料が控えています。
まず自分で概算を把握する
高い費用を払う前に、まず自分で概算を把握することをお勧めします。
EBITDA倍率法(業種別の標準的な倍率で計算する方法)であれば、以下の情報だけで概算が出せます:
- 直近3期分の売上高・営業利益・減価償却費
- 業種
- 有利子負債・余剰現預金の額
ValSimでは、これらを入力するだけで**企業価値のレンジ(低・中央値・高)**を即座に算出できます。
概算を持って専門家に相談するメリット
自分で概算値を把握した上で専門家に相談すると、以下のメリットがあります:
- 相場感がわかるので、不当に高い(または低い)見積もりに気づける
- 「何がわからないのか」が明確になり、相談の質が上がる
- 正式な算定書が本当に必要かどうか、判断材料になる
M&Aの初期検討段階では、必ずしも数百万円の正式な算定書は必要ありません。まずは概算で方向性を確認し、具体的に話が進んだ段階で正式な依頼を検討するのが合理的です。
正式な株価算定が必要になるケース
以下のケースでは、正式な株価算定書(公認会計士による算定)が必要です:
- M&Aの最終段階(SPA締結前の価格交渉の根拠として)
- 税務上の株式評価(相続・贈与・非上場株式の移転)
- 株主間の利害調整(少数株主のスクイーズアウト等)
- 裁判・紛争(株式買取請求権の行使等)
これらのケースでは、第三者対抗力のある算定書が求められます。
まとめ
- 株価算定の費用は20万〜500万円以上。依頼先で大きく異なる
- M&A仲介の「無料査定」は売却前提の営業。中立性に注意
- まずは無料ツールで概算を把握し、その上で専門家に相談するのが合理的
- 正式な算定書が必要かどうかは、案件のフェーズで判断する