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企業価値算定

会社の値段はいくら?中小企業の企業価値を自分で計算する方法

「自分の会社はいくらで売れるのか」をEBITDA倍率法で自分で計算する方法を、具体的な数値例とともに公認会計士が解説します。

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加藤 陽生

公認会計士

IPO準備企業の管理部長、M&Aアドバイザリー業務に従事。 中立的な立場で経営者のM&A判断をサポート。

公認会計士による監修済み(最終更新: 2026-03-20

「会社の値段」はどうやって決まるのか

会社の売却を考えたとき、最初に知りたいのは「自分の会社はいくらなのか」でしょう。

結論から言うと、中小企業のM&Aで最もよく使われる計算方法はEBITDA倍率法です。計算式はシンプルです:

企業価値 = EBITDA × 業種別倍率

EBITDAとは

EBITDAは「利払い・税引き・償却前利益」の略で、以下の計算式で求めます:

EBITDA = 営業利益 + 減価償却費

税金や金利、設備投資の影響を除外した「事業が生み出すキャッシュフローの近似値」です。M&Aでは、この数値を使って企業の収益力を比較します。

業種別EBITDA倍率の目安

業種倍率(低)倍率(中央値)倍率(高)
製造業5.0x7.0x9.0x
小売・飲食4.0x6.0x8.0x
IT・受託開発5.0x7.0x10.0x
SaaS8.0x12.0x18.0x
建設・不動産4.0x6.0x8.0x
医療・介護6.0x8.0x12.0x
サービス業4.0x6.0x9.0x

※ 中小企業M&A市場の実績値・公開情報を参考にした目安です。実際の倍率は案件・交渉環境によって異なります。

倍率に幅があるのは、同じ業種でも成長性・収益性・市場環境によって評価が異なるためです。

具体的な計算例

A社(製造業)のケース:

項目金額
売上高6億円
営業利益5,000万円
減価償却費2,500万円
EBITDA7,500万円

製造業の中央値倍率(7.0x)を適用すると:

企業価値(EV) = 7,500万円 × 7.0 = 5億2,500万円

企業価値から「株主の取り分」を求める

企業価値(EV)は会社全体の価値であり、株主が受け取る金額(Equity Value)とは異なります。

株主価値 = 企業価値 − 有利子負債 + 余剰現預金

A社の場合:

  • 有利子負債:1億円
  • 余剰現預金:3,000万円

株主価値 = 5億2,500万円 − 1億円 + 3,000万円 = 4億5,500万円

これが「会社を売ったときに株主が受け取る金額の目安」です。

よくある誤解

「年商の何倍」は正確ではない

「年商の1〜2倍」という目安を聞くことがありますが、これは非常に粗い近似です。利益率が5%の会社と20%の会社では、同じ年商でも価値が大きく異なります。

「純資産=会社の値段」ではない

帳簿上の純資産(簿価純資産)は過去の投資の結果であり、将来の収益力を反映していません。M&Aでは将来の収益力をベースに評価するのが一般的です。

最終的な売却価格はEVと異なることがある

算定した企業価値は「交渉のスタート地点」です。実際の売却価格は、買い手との交渉、シナジーの有無、売り手の急ぎ度合い等によって上下します。

まずは自分で計算してみる

EBITDA倍率法は、3期分のPLデータがあれば誰でも計算できます。高い費用を払って専門家に依頼する前に、まず自分で概算を把握しましょう。

ValSimでは、業種を選んで数値を入力するだけで、企業価値のレンジ表示株主価値へのブリッジ計算が3分で完了します。

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